木造軸組み工法とは

柱や梁など「軸材」が骨組みの要

ひとくちに木造住宅と言っても、実は、いろいろな建て方があります。中でも、柱や梁など「軸状の部材」を組み合わせる「軸組み工法」が最も標準な建て方として知られています。

古来から伝わる建て方なので、在来(ザイライ…以前から在るという語意)という表現を用いて、「在来工法」とも呼ばれています。消費者の方には、こちらの呼称のほうが耳馴染みがあるかもしれません。

さて、この軸材が組みあがっていく様子を近くでご覧になったことはありますか?棟上げ(むねあげ)とか上棟(じょうとう)という工程になります。

 

軸材の一つ一つに名称(番号)が振られていて、図面と照らし合わせながら、正しく・順序良く組み合わせなければなりません。

大工さんたちが颯爽と組み上げていく様子は、とても壮観で、見ごたえがあります。 

頼もしさの代名詞としても知られている「大黒柱」は、ほかの柱よりも一回り太く、心棒となって家を守る役目を担っています。ところが、最近の新築住宅では大黒柱を見かけなくなりました。太い柱を中心におく田の字型間取りが減ってきたこと、太い木材が手に入りにくくなったこと、建物を強くする考え方が発展したことなどが背景にあります。

進化する軸組み工法

以前の軸組み工法の強さは、柱の太さにあると思われていました。しかし数々の地震の経験から、軸組み工法は柱だけでなく「壁」そのものが耐震性のカギを握っていることがわかってきました。

古くは、割いた竹材を編んだ木舞の上に、水で練り上げた赤土を塗り込む「土壁」が軸組み工法の壁として主流でした。柱と柱の合間に木舞(こまい)を組み、泥状の土を塗り込む…大変な手間がかかる方法でしたが、火の気に強く、木造住宅にはもってこいでした。

実は、耐震という観点からみても、ずっしりと土が詰まった土壁は決して弱い壁ではありません。しなやかな木の動きに対して、(土壁自体は崩れてしまいますが)土がクッション役となって衝撃を緩和してくれます。

 

残念ながら手技を受け継ぐ職人さんが少なくなったこと、工事のスピード化やコストカットが求められるようになったことから、高度経済成長期以降、次第に少なくなってしまいました。

土壁に代わって、柱と柱の間に斜めに入れる「筋交い(すじかい)」が主流になりました。

外部からの力(台風、地震など)によって柱が動いたときに、建物がゆがまないように「つっかえ棒」として踏ん張ります。

 

そんな頼もしい存在の筋交いですが、必ずしも全ての壁に入っているものではありません。建物外周や部屋の隅部など、ゆがみを生じやすい部分に入れられています。

 

 筋交いは、建築基準法制定時の1950(昭和25)年には、すでに耐震に有効な方法として定められていました。

しかし激しい地震が起こった際に、柱の動きを止め切ることが出来ず、骨組みが崩れ、建物が倒壊してしまう被害が多数認められました。

 

その後、柱や筋交いは有効な金物を併用して土台や梁に緊結するように建築基準法は改正されています。


さらに技術改革は進み、構造用合板で外周部をぐるりと張り巡らして「面」を作る工法が生まれました。柱や筋交いなどの軸材だけで支えるよりも建物の一体感が増し、剛性が高まり、地震に強い構造体となります。

 

構造用合板によって筋交いが不要になれば、断熱材が満遍なく入れられるようになり、断熱性が高まるという利点も加わって、多くの新築住宅で構造用合板の施工が採用されています。

 

以上のように軸組み工法は、伝統的な建て方として継承されながら、より良質な建物になるよう日々進化しづつけています。